播州百日どりはもとより、「時期によっては鶏よりも高価」だという「ごぼう」など、材料・調味料にも徹底的にこだわるみつばグループ。どの製品も手仕込み、手作りを厳格に守り、コトコト、コトコト、地元の女性が調理しています。
今回は代表の安藤松子さんに、みつばグループの誕生の経緯からこだわりの材料と調理、そして加美区への思いをインタビュー。
「初めてデパートの催事に出店したとき、忘れられない出来事があって……」など、情感溢れるお話をご紹介します。
目次
1.こだわりは手作り、母の味
2.基本情報
こだわりは手作り、母の味
「添加物や効率化のための機械は使いません」
みつばグループの代表・安藤松子さんは熱い思いを口にされます。
「播州百日どり※は私が生まれ育った、加美区のブランド鶏。その素晴らしさを知ってほしい、美味しく食べてほしい。本能みたいなものですね。グループの立ちあげから25年間、この一念で止まることなく来ました」
※播州百日どり:2017年、「第13回地鶏・銘柄鶏好感度コンテスト」(東京ビッグサイト)で全国第2位に選出。JAみのりが開発し、多可町加美区の養鶏農家が生産する。
鶏は鶏舎に平飼いされること、100日間。名峰・千ヶ峰の水と加美区の澄んだ空気、自然に近い飼育環境が鶏を健康的に育て、さらに100日飼育することで、肉のうま味の素・イノシン酸がじっくりとピークに向かい、かつ体の隅々に行き届く。
もも肉、むね肉、手羽元、ホルモンなど、あらゆる部位が高品質で、噛み応えとジューシーな味わいが特長。
播州百日どりを生産する石塚竜司さん(加美鳥株式会社)のインタビュー
いまでこそ、グループの代表として事業を引っ張る安藤さん。以前は主婦として、ご主人を支えられていたそうです。
「30代で主人を亡くし、人生が大きく変わりました。あの頃は、起き上がることも辛いほど、ふさぎこんだけれど……立ち直るきっかけをくれたのは母ですね。
いつでも台所に立って、ご飯を作ってくれて。コトコト……コトコト……まな板を打つ包丁の響きに励まされてね、『ちゃんと生きなあかん』と思うようになりました」
地元の食材、そして手作りにこだわる安藤さん。こんな気持ちがあるそうです。
「手料理にホッとして、気持ちが暖かくなることって、ありませんか?
毎日、子育てを頑張っているお母さん、お父さん。暖かい食卓から離れ、ひとり暮らしで頑張っている若い人たち……お仕事を終えて、くたびれて帰ってくる社会人。
みつばグループの商品が、召し上がってくださる皆さんの、ホッとするひと時につながるようにと。地元の女性9名、心を込めて作っています」
みつばグループの詳しい歴史や安藤さんのインタビューはこちら
水が冷たい真冬も手づくり、手仕込み
みつばグループは手作り、手仕込み。
コトコト……コトコト……播州百日どりの切り分けはスタッフ総出で行われます。
「朝、締めた播州百日どりを使います。一番美味しい状態ですし、新鮮で安心、安全。産地で調理するからこそ、できることですね」
「手作業にこだわり、昆布とイリコの出し汁に徹底しています」
「野菜も手で切り分けます。たとえば、ごぼう。一本一本を丁寧に洗い、土や泥を拭い取り、ささがきしているんですよ」
ぜいたくに、ふんだんに使う高級ごぼうは2種類、国産100%
ごぼうは国産100%。
旬の産地から厳選し、年間4トンも炊き上げます。
L寸の高級ごぼうだけを使うので、「播州百日どりと同じくらいの価格のときもあるんです」と安藤さん。
それでも、品質を落としたり、コストを優先したりせず、北は北海道、南は鹿児島と、旬の産地で採れたごぼうを使用。
料理によって、「土ごぼう」と「新ごぼう」を使い分ける徹底ぶりです。
「土ごぼうは半月切り。ささがき用が新ごぼうです」
基本情報
みつばグループ
多可町加美区の特産品・播州百日どりを使った加工品を販売するみつばグループ。
加美の郷土料理「かしわご飯」を元に開発した『とりめしの具』や、ご飯に乗せるだけで鶏肉どんぶりができる『こっこどん』など、播州百日どりをふんだんに使った、簡単で美味しく、安全・安心な家庭料理を手作り。
鶏肉やごぼう、人参など、材料はすべて手切りです。
煮炊きに使われるのは、25年間の長きにわたって磨き込まれた大鍋。
ぐつぐつ、ことこと……香りや音、見た目など5感を頼りに調理します。
みつばグループ代表・安藤松子さん
みつばグループは65歳~80歳以上の女性の集まりで、長い人で勤続、約20年。みんな年齢は重ねているものの、バイタリティに溢れてますよ。
ささがきが上手な人、力仕事ならお任せな人、計測など細やかな作業が得意な人など、一人ひとりに得意分野があって、家族のように助け合える仲間なんです。
人生100年時代にふさわしい職場だと、自負してます。
みつばグループ
679-1211
兵庫県多可郡多可町加美区寺内251
電話:0795-20-1263
HP:http://www.mituba.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/mituba_group/
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みつばグループの記事一覧
p.1:手作り、手仕込み、コトコトコトコト、母の味。
p.2:朝締めの播州百日どりを手仕込み。こだわりの味、そして人生100年時代への挑戦