子どもたちに有機の作物を ―― 多可町農業インターン

多可町は京都、大阪、神戸まで、車でそれぞれ1時間半。気候は温暖で、豊かな自然に囲まれています。

播州百日どりやお米、有機野菜など自然豊かな土壌で育った付加価値の高い素材が多数あり、「農」のポテンシャルを秘めた地域です。

今日の農業インターンは多可町に移住し、営農を始められたご夫婦が、有機農業で稲作をする農家さんを訪問します!

参加者

Iさん夫妻

現在、兵庫県多可町にお住まいのIさん夫妻。大阪で建築や工事、不動産に関わる事業を営んでいたところ、旦那さんが体調を崩され、田舎暮らしを検討されたそうです。

その時、「どうせ引越すなら、大きく農業をしたい」と目標を設定。

「北は岩手から兵庫まで、いろんな土地を回って見つけたのが多可町。大阪に住んでいた頃から野菜は作ってきましたが、水稲は全くの素人。師匠のFさんに、有機農法の米づくりを教わっています」

多可町で有機農業を始める

多可町に移住し、「すぐに農業がしたかった」と振り返るご夫婦。でも、早々に挫折があったようで……

Iさん ―― 11月の寒風と雨で、ほうれん草の苗が、すべて吹っ飛びました(笑)

Fさん ―― 風土や自然条件、土地によって違いますからね(笑)

Iさん ―― そうですよね。畝の方向もよくなくて、まともに風を受ける方向に伸ばしてしまって……風の通る向きに揃えて、ようやく収穫できるようになりました。

Fさん ―― なぜ多可町に決められたんですか? ずいぶん遠くまで、田畑を見に行ったこともあったのでしょう。

Iさん ―― 移り住めそうだった地域の中で、多可町の田んぼが最も大きく、水もきれいだったんです。7反から始めて、いまは1町2反。もっと広げたいと思っています。

有機農法のこと

お二人が有機農業を始めた理由

大阪で野菜を育てていた頃は、化学肥料を使う(農薬は不使用)、いわゆる慣行農法を行っていたというIさん夫妻。有機農法に切り替えた、大きな理由があったそうです。

Iさん ―― 孫が生まれましてね、「この子に、質のいい野菜を食べてほしい」と思ったことが、有機農業の始まりです。

実際にやってみると、私たちが知ってる有機の知識だけでは行き詰まった。しかも、水稲は田んぼの状態を見ただけだと、なかなか問題が見えてこない。

野菜は色や輝きで見当がつけられるんですが、稲は水に沈んでいるので……師匠にアドバイスをもらって、やっと前に進めるような感じでした。

有機野菜の誤解 ~誰でも出来る有機農業

Iさん ―― 私たちも有機農法をやってみて、やる気と気持ち次第で、「これなら、誰でも出来るのでは?」と思うようになりました。有機農法には、お金がかかるイメージがあるかもしれませんが、そんなこともなかった。慣行農法の肥料や農薬に比べ、安価な資材も手に入りますしね。

そもそも、「有機農業は、化成肥料OK」と勘違いしてた私たちでも出来たのだから、ハードルは高くないはずです(笑)

Fさん ―― お二人は、二人三脚で営農できるのがいいですよね。

Iさん(旦那さん) ―― 妻には助けられてます。建設業の頃も現場に出てくれて、朝から夜遅くまで、仕事を手伝ってくれたのですが、農業も同じ。日本農業技術検定※の3級を一緒に取りました。
※日本農業技術検定:農業界の人材育成・確保にむけた全国統一の農業専門の試験制度・検定。農業の知識や技術の修得を促進し、教育研修の効果を高めることを目的とする。運営は「一般社団法人 全国農業会議所」。

Fさん ―― 今後はぜひ、有機農業の事業を大きくして、付加価値の高い農産品を生産したり、地域外の方に農業を教えたり、どんどん活躍してほしいです。

Iさん ―― できる限り頑張りたいと思っています。本日はインターン、ありがとうございました。

振り返り

Iさん夫妻は、大阪で営まれていた事業は激務が続き、旦那さんが体調を崩したこともあったのだとか。
「いまは農業が楽しい。土をいらってるだけで、いいですよ」と旦那さん。
今後はご夫婦で力を合わせ、夢の実現に邁進されるそうです。

その夢とは ―― 

「子どもたちに安心、安全な有機農産物を食べさせたい。それが私たちの最大の夢です」

おわりに

(株)多可町地域商社RAKUでは、今後も農業インターンを開催していきます。

町内の気になる農家さんに会えたり、作りたい品種によって研修先が選べたりと、オーダーメイドスタイル。リアルやオンラインなど、研修形式も自由です。

ぜひ、ご連絡ください。

▼農業インターン&ツアーは、下記ページの「多可町のプロジェクト」にて、ご案内しています。

SMAUT 多可町イベントページ

▼運営主体

㈱多可町地域商社RAKU

多可町の有機栽培野菜については買取販売を実施。兵庫県内でのマルシェ活動や販路拡大を通して農産品のPRを行っています。
空き家を通した移住定住支援や空き家の利活用なども行っています。
まずは知ってみる!やってみる!という方、下記、イベントページからお気軽にお問合せください。

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