兵庫県多可町の秋祭り 写真レポート(2022年)

10月の3連休、兵庫県多可町の各地で秋祭りが行われました。

コロナ禍は中止が続き、3年ぶりだった大掛かりな町の祭事。連休の中日(日曜日)は大雨にも見舞われましたが、太鼓の宮入や神楽は敢行され、参列者から湯気が立つなど、活気に溢れた3日間でした。

今日は、そんな多可町の祭りから「加都良神社(岸上)」「荒田神社(的場)」「五社神社(豊部)」「柳山寺(柳山寺)」の様子を写真レポートします。

加都良神社(多可町中区岸上)

2022年10月9日(日)

岸上は、5才の子がお稚児さんとして歩きます。

ただ、2年連続で秋祭りが中止になったことから、今年はここ2年、歩けなかった子も含め、8人が加都良神社に参拝しました。

神主さんが丸餅を蒔き、岸上のお祭りは終わりました。

荒田神社(多可町加美区的場)

2022年10月8日(土)、2022年10月9日(日)

多可町の「ふとん太鼓」は、屋根に布団が重なる。夜は電飾でライトアップ。

撮影:こみなみひろえ

五社神社(多可町加美区豊部)

2022年10月9日(日)

五社神社(豊部)のお祭りは、天狗と獅子の舞など、7種の神楽があるそうです。

ただ、今年はコロナ禍で稽古がしづらかったこと、当日が大雨だったことから、獅子舞が2つ、奉納されました。

柳山寺(多可町八千代区柳山寺)

2022年10月11日(月)

柳山寺のふとん太鼓
子どもを泣かす天狗と獅子、ふとん太鼓のトリオ

柳山寺のお祭りは、天狗が境内を走り回り、ちいさな子どもを泣かせていきます。

大泣きする子どもと、それを見て微笑む大人の間を、大声を発して駆け回る天狗のコントラストが印象に深い儀式。

天狗は一回り、境内を走ると社の奥に入り、膝をついて礼。この流れを3回、繰り返しました。

多可町の秋祭り、2022年版をお送りしました。

装束を身に着けたお稚児行列があったり、大太鼓(屋台)を担いだ行列が出たり、飛び跳ねる天狗が子どもを泣かしたりと、集落ごとの習わしで五穀豊穣に感謝。
「ふとん太鼓」※や「お当(おとう)」※など、多可町ならではの共通項も見つかりました。

リスク回避のため、今年も祭りを辞めた集落があり、執り行った地区にしても内容を簡素にするなど、本来の姿を取り戻したとは言い切れない多可町の祭り。

「来年こそ」。

参加者の皆さんは、そんな気持ちを秘めながら、ふとん太鼓を担いでいたのかもしれません。

※ふとん太鼓
正方形の巨大な布団を、屋根にあたる部分に逆ピラミッド型に積んだ大型の太鼓台のこと。多くは「乗り子」と呼ばれる子どもが複数人、乗り込める構造になっている。

※お当(おとう)
町内で祭事を司る役のこと。
ふるくは「お頭」と書かれ、長男が一生に一度務める名誉だった。
時代とともに、くじ引き制度で決まったり、順繰りの交代制・複数人制になったりと変化。
現在は、「お当渡し」を期に交代し、一年間、神社の清掃や祭りの進行などを行う。

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撮影・取材