科学と有機を掛け合わせ ~シリーズ「多可町の山田錦」

藤岡さん(多可町中区/(株)AgLiBright(七代目藤岡農場)

生命科学の道から農業へ

1828年から先祖代々、農業を営み、私で7代目です。

小さなころから豆の選別や草取り、収穫は暮らしの一部。好きとか嫌いとかじゃなかったですね、農業は。

ただ、継ぐつもりはなかったんですよ。

大学院に進み、生命医化学を研究していました。ゆくゆくは企業に入って、医薬品や化粧品を作ろうと思っていたんです。

転機だったのは、活性酸素や予防医学の勉強。『人にとって大事なのは、やっぱり食なんだ』と気付き、農業に切り替えました。

その後、アメリカの研修施設とカリフォルニア大学で通算19ヶ月、農業を学ばせてもらい、多可町に戻ったんです。

草と闘う有機農法

坂本集落の上空から眺めた多可町

多可町は中山間地域で、気温の寒暖差がとても激しい。作物は引き締まり、甘みも豊かに育ちます。なかでも、弊社の田んぼがある坂本集落は、粘土質の土壌で肥料持ちがよく、山田錦の栽培に適した環境です。

全圃場で化学肥料農薬を半減し、山田錦を栽培しているのも、弊社の特徴です。有機JAS認証を取った田んぼもあり、オーガニックの普及にも取り組んでいます。

有機の山田錦は薬・化学肥料は使えません。とても栽培しにくく、やはり強い苗でなければ病気にかかりやすいんです。

弊社は極力、苗をしっかり伸ばして、さらに密植ではなく、空気が通りやすい苗作りを行うことで、病気のリスクに対抗しています。

元肥は緑肥・ヘアリーベッチ。植物を窒素の成分として土壌に入れ、状態をよくするんです。

苗作り、土作り。田植え ―― ここまで来たら、稲の様子をみながら魚系の有機肥料を時々使い、ひたすら雑草との闘いです(笑)

土壌をいい状態にして、苗をどれだけ強く作れても、草にまみれさせたら育ちません。なので、除草は1週間ごと。ここ数年、異常ともいえる酷暑に見舞われ、毎日田んぼに出ている私でさえ、シーズンに何度かは熱中症になります……。

米粉の可能性

山田錦は、基本的には全てお酒になります。

一部、神戸市のハニーマザーさんなど、お菓子を作られる事業者に、原材料としてご提供しています。

山田錦は、兵庫県の特産でもありますし、また多可町が発祥の地ということで、大々的に取り上げてもらっています。お酒のイメージが強い中で、米粉という新たな利用シーンで、お酒であれば大人しか楽しめないですけれども、やっぱりクーキーだったり、サブレーだったりと、お菓子であれば、小さなお子さんも楽しんでもらえます。

山田錦の固定概念を覆し、これまでとは違った形で、すばらしい商品に生まれ変わることで、幅広い世代に、多可町の山田錦を認知してもらえたらありがたいなと思っています。

多可町日本酒フェスタ2023

と き 令和6年2月23日(金・祝)午前10時~午後3時
ところ 多可町文化会館(ベルディーホール)
    屋内(大ホール・ロビー)、屋外(噴水広場等)

多可町ゆかりの酒蔵16蔵のお酒を飲み比べできます!
お酒を飲まない方も楽しめる企画あります♪

★お楽しみ抽選会 
 ご来場者全員参加できる
 (アンケートに答えるだけ!)
 アラジンのトースターなど豪華賞品当たります♪

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