加美は寒い。だから、いちごが甘い。
先日、インタビュー(いちごを作って暮らす ~吉川知弘さん(箸荷いちご・ブルーベリー園))をお願いした吉川さんから、「収穫が始まりました!」とご連絡いただき、撮影に行ってきました。
待望の収穫
吉川さんは「いちごは根が5度以下になると、寝てしまうんですよ。育たない。今年はだいぶ寝てます(笑)クリスマスに間に合わないかもなあ」と首をかしげていたのですが、この日は晴れ晴れとした表情。
「やっと採れるようになりました(笑)年末年始のピーク、なんとかなりそうです」
収穫が始まったのは12月13日頃。例年より約2週間遅いスタートだったとか。
3品種を食べ比べ
今日はラッキーなことに、採れたていちごを食べさせていただきました。
まずは「あきひめ」。
あきひめ
「宝石?」と呟いてしまうほど、神々しかった朝摘みのあきひめ。
寒がきつく霜が降り、ウッドテーブルの天板も真っ白な時間帯に頂いたこともあってか、透明感がある甘さを感じました。
神々しいクリスタル感。リッチです。
つぎは「おいCベリー」。
おいCベリー
兵庫……多可町では、これくらいのサイズが当たり前なのでしょうか? ぼくはまず、大きさにびっくり。
かぶりつくと「いちごのど真ん中!」という食べ応え。おおぶりで触感がよく、新鮮なジュースも溢れてきます。
たくさん食べられるなら、何粒かはケーキや大福で頂きたい。
最後が新種、「よつぼし」。
よつぼし
今年から栽培が始まったという、よつぼし。売り出される前の出来立て、採れたてを頂きました。
あきひめやおいCベリーよりは小ぶりとはいえ、甘味やコクは抜群です。
「寒冷地の加美区はいちごの膨らみがゆっくりで、そのぶん甘さがじんわりと溜まる特長がある」と吉川さん。
そんな魅力がギュっと粒になった、将来が楽しみないちごでした。
いちご狩りは1月9日から
現在、園内では「あきひめ」「紅ほっぺ」「おいCベリー」の3品種を収穫。
待ちわびていた常連さんがたくさんおられたのでしょう、いちごの販売・出荷は年内分、「すでに予約でいっぱい」だとか。
でも、すこし待てば大丈夫。
「1月1日から営業しているので、お正月はお買い求めいただけます。お早めにご予約ください」と吉川さん。
1月9日からはいちご狩りも始まるそうです。いちご狩りのシーズンは春かと思っていましたが、年明け早々に楽しめるんですね。
「箸荷いちご・ブルーベリー園」のいちご狩りは、80歳以上のお客様に特別価格を設定。
多可町が敬老の日発祥の町ということで、80歳以上は1000円です。
また、持ち帰りも可能で、こちらは料金が2パターン。
・いちご狩りをした人:100g/240円
・いちご狩りをしない人:100g/280円
上の料金で1パック、1400円前後になるそうです。
「常時3種類以上のいちごが採れるので食べ比べもできて、いちごの大きさや形も選べるところが魅力ですかね」と吉川さん。
いちごの数に限りがあるので、こちらも要予約です。
取材・ライティング:黒川直樹