竹内写真教室 写真展のお知らせ/ドウジアム市民ギャラリー(兵庫県西脇市)

2021年9月14日(火)から20日(月)まで、兵庫県西脇市のドウジアム市民ギャラリー(西脇市郷土資料館)で写真展が開催されます。

参加者は11名。写真家でJPIO※の認定講師・竹内晴行さんが主宰する写真塾と自主講座の参加者が1人2点~5点のプリント作品を展示。
※一般社団法人 日本写真講師協会

竹内先生の塾・自主講座は「お客様に見てもらうこと」がテーマ。
感激や感動を「伝える」撮影を心がけ、1年間の成果がずらりと並びます。


多可町地域おこし協力隊の黒川直樹は、今年の3月から竹内先生の写真講座に参加。
今回の展覧会に、多可町をテーマにした写真を2点、出展します。

今回の展覧会は、多可・西脇、北播磨を舞台とした作品も多数。
カメラマン一人ひとりがイメージした光景に出合うまで何度も足を運んだり、一瞬の出来事を鮮やかに捉えていたりと、見慣れた場所が新たな光景として迫る作品の展示です。

会期中は日替わりで出展者が係を務めるとのこと。
気なる写真の撮影者に撮影の裏話が聞けるかもしれません。

今回、黒川が竹内先生にインタビュー。さらに、自主講座から展覧会に出展される参加者からもコメントを寄せて頂きました。


 

竹内晴行氏 インタビュー 

中学生の頃に写真を始め、20代は全国規模の公募展で受賞された竹内先生。しかし、多忙を極めた40代から50代の半ば、撮影から離れた時期もあったそうです。

写真に戻るきっかけは、奥様からのこんな一言。
「ゆくゆくは写真を教えたいなら、もう一度、地元で知名度を高めることが必要では?」
この呼びかけに応じる形で撮影を再開した竹内先生は、その後2年の間に北播磨エリアを始めとする7つ以上の公募展で最優秀賞・大賞を受賞。第2の写真家人生を始められました。

そんな竹内先生がなぜ、写真塾や講座を立ち上げ、なにを大事に指導されているのか? 展覧会の見どころとあわせ、伺いました。

 

撮影:竹内晴行 国道238号から眺めた宗谷岬(北海道)


 

▼プロフィール

1949年生まれ。写真は15歳から。父が絵画や写真に親しんでいた事から影響を受けた。1972年、第20回西脇市美術展で特選を受賞。1982年、全国展のフォトコンテストで入賞し、西脇市美術協会に加入(推薦者は医師・写真家の故吉田太郎氏)。現在はJPIO(一般社団法人 日本写真講師協会)の認定写真講師。竹内写真塾・西脇市自主運営講座を主宰し、公募展審査員も務める。講座のテーマは「感動を一枚の写真に!」「こころ優先で撮影する」。
 

▼Instagram

https://www.instagram.com/moonlight88123/



語り手:竹内晴行

―― 先生はなぜ、写真講座を立ち上げられたのですか?

西脇市にはながらく、写真講座がなかったんですよ。昔はありましたが、何十年も開催されてなくて。私も長く写真をやってきて、地元に講座がないというのも寂しいし、撮影マナーや技術も伝えたかったんです。

それで、市と協議を重ねながら、まずは写真塾を立ち上げ、講座も始めました。目指すのはマナーやルールに則りながら、撮影のレベルを向上させること。参加者のなかで切磋琢磨が生まれるような雰囲気ですね。

塾が5年目、講座は市の運営が1年あり、自主講座に切り替わって2年が経ちました。今年で4年目です。

 ―― 塾と講座に違いはありますか?

内容はほとんど同じです。持参してもらう作品を講評し、写真に関する技術や知識をお話しています。

ただ、塾は撮影ツアーに出かけるんです。コロナ禍で回数こそ減りましたが、泊りがけで本格的な撮影会をしています。

自主講座は、どちらかというと「写真を楽しむ」場です。カメラを始めたばかりの方から、経験があるカメラマンまで幅広く集まっています。

 ―― どんなことに重きを置いて講座を運営されているのでしょうか。

どれだけよく撮れていても、ルールを破った写真には意味がありません。
塾にせよ、講座にせよ、参加者の皆さんにはまず、「立ち入り禁止のところに入らない」とか、「三脚・一脚の使用が許されていない場所は手持ちで撮る」などの撮影マナーをお伝えし、どんなときでも守ってもらいます。
これが一番大事なことですね。

それと、見てもらうことを意識するようにお伝えしています。
何をどう撮ろうと個人の自由です。でも、せかっくなら「見てくれた人を感動させる作品づくりをしませんか」と提案しています。

写真は感動を人に伝えられるんです。「自分が心を動かされた理由」を突き詰め、作品に反映することで写真がよくなると、私は思います。

 ―― 先生は作品の講評をプリント作品、データ(プロジェクターで上映)、2つを受け付けていますよね。お考えがあってのことだと思うのですが、理由を聞かせていただけますか。

私自身は、写真はプリントしてこそ見応えがあると思います。なので、参加者には「できれば印刷した作品を持ってきてほしい」とお伝えしているんです。

でも、HPやSNSが全盛の時代です。スマホで見られるだけの方も少なくありませんし、それも写真の楽しさだと思いますよ。お金もかからないので始めやすいですしね。

結局、プリントにしてもモニタで表示する画像にしても、使い分けて楽しめるのが一番だと思います。そういうわけで、プリントとデータの両方を講評するようになりました。

 ―― 作品を講評するとき、大事にされているのはどんなことですか?

私が見て、よくない所はよくないと率直に伝えるようにしています。参加者が撮影する力を伸ばし、よりよい作品が撮れるようになってほしいからです。
もちろん、私の意見が絶対ではないし、ご本人が「これでいい」と言うなら、そのままでいいんですよ。無理強いはしません。

参加者によってカメラ歴や好みのジャンルが異なるので、伝え方も工夫します。たとえばカメラを始めたばかりの方に、難しい撮影技術の話をしても、かえって混乱させるだけですからね。

 ―― 最後になりますが、今年の展覧会の見どころを教えてください。

今年の展示作品は46点です。色や構図に特長があったり、技巧を凝らした作品があったりと、かなりの力作が揃い、見応えがあると思います。

印刷は全てクリスタルプリント。いわゆる銀塩プリントです。印画紙に色を乗せるインクジェット式と違い、薬剤を塗布した紙にレーザーを当て、紙そのものを発色させるので、作品のグレードが高まるんです。
ご来場の際は、そんなクリスタルプリントの魅力も感じてもらえたらと思います。
 

▼竹内晴行写真塾/自主講座

<写真塾>
日時:毎月第2金曜日 午後1:30から午後4:30
場所:播磨内陸総合文化センター(ドウジアム)
費用:入会金10,000円
   会費半期前納9,000円
撮影ツアー:毎月2回程度企画(参加は自由)

<自主講座>
日時:月1回・第1土曜日 午後1時30分~4時30分
場所:西脇市総合市民センター
費用:1回1500円(会費半期前納9,000円)
講座窓口https://www.city.nishiwaki.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikuiinkai/cyuoukouminkan/tyuoukouminnkanngoannnai/1352955843177.html


 

出展者のコメント

自主講座から出展される2名(と、黒川)のコメントをご紹介します。
なお、こちらに掲載した写真作品は「これまでに撮ったお気に入りの一枚」を選んでいただきました。今回の展覧会に出展される作品とは異なります。
 

種子 哲雄(タネコ テツオ)さん

▼写真歴
3年前に退職。ミラーレスカメラを購入し、撮影を始めた。

▼好きなモチーフ・ジャンル
山歩きや旅行が趣味。自分が見た野草や風景を撮っている。

▼写真展について
コロナが話題となる直前に旅したミャンマーでの1コマ。小さな漁船をチャーターし、走っている船から魚を捕獲している漁師を撮った。湖面に輝く太陽光をアクセントにした。

前日の夜に雪が降った笠形山に登っている時に出会った風景。突然風が吹いたかと思うと、樹木の上に積もっていた雪が舞い降りてきた。その雪により、太陽光が木々の影を鮮やかに浮かび上がらせた一瞬の一コマ。

▼その他
多可町には珍しい植物がたくさん生育している。また、規模の大きな谷や稜線を持つ山がある。登山道を整備していただき、感謝に堪えない。

▼お気に入りの一枚

絶滅危惧ⅠA類に属し、絶滅の危機に瀕していると日本全国・兵庫県で指定されている植物 ヒメノヤガラ(多可町で撮影)

 

森本 義隆さん

▼写真歴
10年程

▼好きなモチーフ・ジャンル
8年程孫の小学生ジュニアバレーを中心に撮っていました。その後は風景写真の撮影を楽しんでいます。

▼写真展について
作品に対する自分の思い入れが先に出てしまい、展示作品を選ぶのに困りました。

▼お気に入りの一枚

この写真は許可を得て昨年(2020年)の「加東市公募美術展」に出させて頂きました。私が撮り続けていたジュニアバレーの写真の中で一番「カッコイイ!」と思う1枚です(6年生)
孫ではないのが残念ですが、この子は現在氷上高校のセッターとして頑張っています。

 

黒川直樹

▼写真歴
父のコンパクトフィルムカメラを借り、遊びで撮り始めたのは大学生の頃。仕事で撮るようになって4年ぐらいです。

▼好きなモチーフ・ジャンル
ロケ撮影なら現場やモデルが感じさせてくれる魅力の記録がやりがいです。
プライベートの撮影は現実と幻想、抽象と具象が混ざりあった瞬間や景色を撮りたいと思っています。

▼写真展について
出展作品は2点。多可町の食と花を出展しました。

1.多可町の食
多可町の食材だけで作ったフルコースの写真です。
企画~撮影、盛りつけなどで共同作業をした、役場の広報担当者の存在があったからこそ撮れた1枚です。料理はすべて彼女のお手製です。
また、撮影当日は地域おこし協力隊の同僚が助けてくれました。

・使った食材
豆腐(エアレーベン八千代)
高野豆腐(やなぎ豆腐)
お米(多可町産 あったか米)
みそ(多可町産)
播州百日どり(手羽もと、手羽先、コロッケ、チキンカツ)
播州地卵
神戸ビーフ
醤油(足立醸造)
とりめしの具(みつばグループ)
ソーセージ(クワムラハム)
季節の野菜(多可町産)

食材・加工品は多可町ふるさと納税の各サイト、もしくはエアレーベン八千代など町内の施設・スーパーでお買い求めいただけます。

2.多可町の花
多可町の大歳金刀比羅神社に咲いていた桜です。シャッターを押すとき、レンズを置いたのは石灯篭の内部。石材の型抜きを窓として利用し、気になる人をこっそり見つめるようなイメージで撮りました。

▼その他
Instagramに多可町で撮影した写真をアップしています。
Instagram.com/kurokomode/

▼お気に入りの一枚

2020年11月19日、千ヶ峰の風景です。手振れ写真ですが、シャッターを押したときに吹いていた風や肌寒さ、広大な山地と歩く人の小ささの対比などが写ったので、思い出に残ってます。



 

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