黄金色の山田錦を夢見て ~シリーズ「多可町の山田錦」

大山さん(多可町中区)

稲の声に耳を澄ませて

農業は学生の頃から実家の手伝いでやっていました。

昔ね、近所の先輩に「稲が喋る『腹が減った』とか『飯を食わせろ』みたいな声が聞こえたら、農家として一人前や」と言われてましたが、聞き取れていません(笑)

田んぼがある東安田集落は、山田錦の栽培に適した環境です。地形は東西に開けているし、日が落ちるのが遅く、四方が山に囲われてるから、特に秋頃は昼と夜のk寒暖差が大きい。水もいいんですよ。加古川水系の本流と伏流水が使えます。渇水期も水に困らず、空気もきれい。

山田穂を発見したとされる山田勢三郎さんも、この集落の農家です。

白鶴錦を栽培する~白鶴酒造との村米制度

私の田んぼがある東安田集落は、村米制度※で、白鶴さん(白鶴酒造株式会社)とお付き合いさせてもらってます。
※村米制度:播磨地方の酒米産地と特定の蔵元との間で結ばれる酒米取引制度のこと。契約栽培の一種。

白鶴さんは山田穂を品種改良され、山田錦の兄弟品種で、独自の酒造米「白鶴錦」をお酒造りに使われています。その栽培を多可町で始める計画が立ち、白鶴錦とは、おおよそ17年ぐらいのお付き合いですね。

白鶴酒造を迎え、今年の出来映えを伝える大山さん

酒米として使う白鶴錦の栽培から、社員研修で使われる白鶴さんの田んぼの管理など、いろいろさせてもらっています。

左・山田錦の穂。右・白鶴錦の穂。白鶴錦は穂から伸びるヒゲ(芒/ぼう)が特徴。

米粒も山田錦より大きい(左・山田錦。右・白鶴錦)。

▼白鶴酒造が東安田の田んぼを検見

黄金色にきらめく山田錦

30年も40年も、米作りをしてきましたが、ほんとうに驚いたのは一回だけ。山田錦が、びっくりするほど実ったことがあるんです。

黄金色で粒も見事で、ぷりっぷりしててね。例年に比べて、ひと回りは大きかったんじゃないかな。仲間からも「すごいなあ!」と声をかけてもらいました。

「またいつか……ひょっとしたら今年……」なんてね、思う気持ちもありますが、今のところ、あの年だけですね(笑)

日本酒の未来

コロナ前、「外国人向けの動画に出て欲しい」と頼まれました。酒米の振興になればと引き受けたんですが、撮影が始まったら「英語で話してほしい」って。いや……播州弁なら話せますけどね(笑)

日本酒の未来を考えたら、国外に目を向けることは大事だと思います。酒米の栽培を食や観光に結びつけるとか、味わいもワインみたいなテイストにしてみるとか。間口を広げていくことが大事なんじゃないかと。

こんな話をしていますが、実は私、お酒が呑めません(笑)。口にはできるんですが、すぐに(お酒が)回るし、次の日が辛い。

そんな私でも、白鶴錦で仕込んだ、白鶴さんの純米大吟醸などはね、スーッと入るんですよ。フルーティで、「こりゃ、あかん……」って、ついつい呑みすぎます。

多可町日本酒フェスタ2023

と き 令和6年2月23日(金・祝)午前10時~午後3時
ところ 多可町文化会館(ベルディーホール)
    屋内(大ホール・ロビー)、屋外(噴水広場等)

多可町ゆかりの酒蔵16蔵のお酒を飲み比べできます!
お酒を飲まない方も楽しめる企画あります♪

★お楽しみ抽選会 
 ご来場者全員参加できる
 (アンケートに答えるだけ!)
 アラジンのトースターなど豪華賞品当たります♪

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