金魚にかけた熱い夏! 第3回北播磨金魚すくい選手権レポート

2022年7月24日(日)、えびすや多可町本店で「第3回北播磨金魚すくい選手権認定大会」が開催されました。新型コロナウイルスの影響で、ここ2年間は中止。3年ぶりの大会です。

今大会は「第27回 全国金魚すくい選手権大会」の予選を兼ね、「小学生・中学生の部」「高校生・一般の部」あわせ、参加者は総勢55名。

高砂や加古川、丹波から参戦されたご家族もあり、お昼すぎまで熱戦が繰り広げられました。

3人のチャレンジャー

まさよし君・たつき君・れお君

今回、50名を超える参加者から、「小学生・中学生の部」にチャレンジした3人の小学生にお話を聞きました。

たつき君(6年生)

れお君(6年生)

まさよし君(4年生)

たつき君とまさよし君は兄弟で、れお君はたつき君の同級生。仲良し3人です!

金魚すくいをはじめて約7年が経ち、いまも「魚が大好き」「金魚すくいが大好き」で、今大会を楽しみにしていたのだとか。

戦績も見事で、全員が全国大会の経験者。出場の思い出を尋ねると ―― 

れお君「決勝で6匹しかとれなかった」

たつき君「予選敗退が悔しかった」

まさよし君「予選落ちだったけど、6匹すくえた思い出があります」

このように話してくれました。

れお君は「6匹しか……」と振り返りましたが、実は3年前の全国大会、その準決勝で「20匹も」すくって決勝に進出。

全国大会は金魚の勢いが予選と異なり、場合によるとベテランでさえ「1匹もすくえない」ことがあるらしく、20匹は見事な数字です。

まさよし君にいたっては、当時小学1年生だったのに、難しい全国大会で金魚をすくっています。

みんな、大人顔負けの競技者です!

そんな3人、今大会の結果は……?

たつき君が堂々、29匹をすくって優勝でした! 
それでも、本人は「30匹すくいたかったから、ちょっと悔しかった」と反省。
優勝を喜ぶのかと思いきや、もっともっと出来ると思っていたとは、おみそれしました。

まさよし君も18匹をすくい、全国大会の出場権を獲得。
「10匹以上すくいたいと思ってたので、目標が達成できてよかった」と笑顔で答えてくれました。

8月21日に開催される「第27回 全国金魚すくい選手権大会」、楽しみですね!

なぜ、えびすや多可町本店が全国大会の予選を?

「全国金魚すくい選手権」は、奈良県大和郡山市が主催する金魚すくいの全国大会です。実績があるシード選手及び、日本各地の予選を勝ち抜いた競技者が一堂に介します。

現在は大和郡山市立総合公園施設多目的体育館、通称「金魚スクエア」を会場に、金魚すくいだけではなく、出店やLIVE、幼児向けのふれいあいブースなどを併設。

地域活性化の好例、町興しの成功例としても知られるイベントです。

そんな全国大会の北播磨エリア予選が、えびすや多可町本店で行われるようになったのは、こちらのお店の系列店が三田のショッピングモールにあった頃、そのモールが金魚すくい大会を開催していたからだとか。

「弊社が多可町を盛り上げるイベントを考えていたとき、『そういえば昔、ショッピングモールが金魚すくい大会をしていたな』と思い出しまして。全国金魚すくい競技連盟に『北播磨予選を兼ねた大会が開けないか』と申請をしたところ、認可され、開催を始めたんです」と社長さん。

こうした経緯で2018年、第1回大会が催され、2019年に第2回、そして今年、第3回大会が開催されました。

戦いは競技前から始まっていた?!

「小学生・中学生の部」「高校生・一般の部」ともに、上位5名が全国大会の出場権を獲得する北播磨予選。
競技者は3分間に何匹の金魚をすくうかを競争します。
試技は2度。数字のいい方をスコアにする形式です。

金魚すくいのルールを解説したシート。競技中も審査員が見守り、ときに声をかけながら進む。

ベテラン競技者に、金魚すくいのコツを尋ねたところ「ポイの見分けが大事」と教えてくれました。

「ポイの網は和紙でできています。これにシワがあったり、繊維が重なっていたり、ちいさな穴が開いていたりするんですが、どれも金魚をすくうときの破れの原因。ひとつひとつ状態が異なるので、時間が許す限りちゃんと確かめます」とも。

ちなみに、全国大会。
競技前に1分、ポイを選ぶ時間があるそうです。

高校生・大人の部は、優勝者は91匹!

さて、「高校生・大人の部」の結果はというと……優勝者がすくいあげた金魚は、なんと91匹! 
準優勝の参加者も86匹と、競技中から人だかりができる、圧巻のプレーぶりでした。

実は優勝、準優勝のお二人は加古川から参戦された親子。
競技を終えたばかりのお父さんにインタビューをお願いしたところ、快く受けていただきました。

「私はこの大会の第1回、第2回で優勝させてもらって、今回、3連覇をするつもりで臨んだのですが、息子にやられました(笑)悔しいですね。負けるつもりじゃなかったので。

もともと、うちは妻が金魚すくいに出ていて、それこそ、この子と娘が生まれるまえから、二人でやっていて。彼女は全国大会で優勝経験もあるくらい、私たちよりも上手です。

息子は今年、高校生になって大人の部門に初めて出場しました。その途端、優勝をさらわれた(笑)父が息子に乗り越えられる……歴史は繰り返すですかね……(笑)」

練習はされるのですか?尋ねると「そうですね。大会が近づくと、大和郡山の金魚屋さんから仕入れます」と、お父さん。

「400匹……500匹くらい買って、練習を始めます。玄関の涼しいところに飼って、暑くなると金魚が死んでしまうので、この時期はエアコンもつけっぱなしです(笑)

夏になると、金魚すくい大会に出るのは、うちの恒例行事。でも、仕事が忙しい時期もあり、なんどか『もう辞めようか』と思いました。ただ、友人や知人から『もったいない!』って言われてね。『家族で一緒に楽しめて、遠出も出来るなんて、普通の家族、そんないいことないよ』と。

それもそうだなと、今でも続けてます。息子も娘も大きくなりましたが、金魚すくいは一緒に来てくれるんですよ。今年も全国大会に行けることになって、よかった。新型コロナウイルスの感染者も増えてきたし、どうなるかわからないですけど、開催されたら嬉しいですね」

インタビューの終わり、多可町の山々を眺めながら、お父さんが一言、「いいところですよね、多可町」とポツリ。

「加古川も自然は多いですが、多可町は……なんだか違う。今日もね、30度以上になりましたし、ここも暑いですが、風がひんやりしてるじゃないですか。感じません? 山間だからか、加古川の風とは質が違う。

こういう場所で、金魚すくいの地区大会を催してくれて、私たちの地元、加古川大会は中止でしたし……えびすやさんには本当に感謝です。

そうそう、多可町は水がきれいだし、金魚すくいにぴったりの土地だと思いますよ。ぜひ、町の名物に! どうですか? 黒川さん、頑張ってください(笑)」

お話の終わりにひとつ、宿題をいただきました(笑)

表彰式が終わり、時刻はお昼すぎ。

キッチンカーに参加者が集まり、特設の金魚すくいコーナーからは人の姿が消えません。

第27回 全国金魚すくい選手権大会

開催日:令和4年8月21日(日曜日)

会場:金魚スクエア(奈良県大和郡山市総合公園施設多目的体育館)

大会の要項
https://www.city.yamatokoriyama.lg.jp/soshiki/chiikishinkoka/event/5/1670.html

決勝の結果は? こちらにレポートしています!

取材:こみなみひろえ(TAKAFAN)/黒川直樹

SHARE

撮影・ライティング