なか・やちよの森公園 ~ヴァルトコース(渓流の広場)

ヴァルトの森の子守歌


秋晴れに恵まれた11月18日、なか・やちよの森公園で開催された下記イベントに同行しました。

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多可町ふるさと創造大学 「多可の森」で笑って歩いて健康に! ~心身まるごとリフレッシュ~
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スタート

開始予定時刻の午前10時 ―― 集合場所の管理棟前は、カラフルなウォーキングウェアに身を包んだ参加者で大賑わい。総勢50名を超える大盛況です。




全体は2グループにわかれ、イベントメニューやウォーキング・笑いが絶えない健康づくりのレクチャーを受講。
ついで、ストレッチを行なって出発準備もばっちりです。




こうして渓流広場の「なか・やちよの森ヴァルトコース」、およそ3.2kmを息があがらない程度のスピードで歩きはじめました。




引率くださった「多可の森健康協会」のガイドによると、この「息があがらない程度」が心と体にちょうどよく効くのだとか。




ドイツ語で「森」を意味する「ヴァルト」の名の通り、どこか西欧情緒を感じさせる林道は、踏みしめるたびにキシィ……キチィ……っと足裏にやさしい感触 ―― 道幅いっぱいに重なるウッドチップが軋むのです。



「ふかふかして気持ちいいですが、実は砂浜と同じで、ふつうに道路を歩くよりも負荷があるんですよ」とガイドさん。ちょっと賢くさせてくれるトリビアに、参加者が「へぇー」と声をあげます。


だんだんと、ほぐれる



散策の一団は互いのペースに配慮し、縦にながく伸びながら、見えないロープでつながっているかのような一体感も途切れません。

道行きで4回、心拍数を図り、無理をしていないかどうかをチェックしながらの散策です。

あちこちにきらめく木漏れ日に照らされながら、森の奥深いところに向かっていると……体のなかで凝り固まっていたものがだんだんとほぐれ、枝や木、落ち葉と一体になるような感じがします。



頂上でシンクロ
 

やがて展望台に到着 ―― ガイドの皆さんが用意してくださった黒豆茶に憩い、空を拓く絶景を眺めます。



そのとき、ガイドさんが言いました。
「みんなで山に呼びかけましょう。恥ずかしがらず、大きな声で!」
さらに、呼びかけのコツを口伝。
「ヤッホー、ではなく、ヤッホ!と短く切るようにすると、よく響くんです!」

そして、3……2……1……「ヤッホ!」

その途端、我々は「おぉぉぉぉ!」と感嘆でユニゾン。「1発でこんなにバッチリ揃うなんて!」とガイドさんも驚愕。この瞬間を思い返すと爽快で、耳の奥でまだ、山びこが轟いているかのようです。



ヴァルトの森の子守歌


 

この日の山場はもうひとつ、下山も最終盤を迎えたところにありました。道をすこし外れると、なだらかな斜面がひろがり、20台を超える木のベッドがズラリ。

「5分間、眠ってみましょう」

呼びかけに誘われ、背中をあずけてみると……ごリっとした丸太の感触が、すこしづつ背中に馴染んで、全身とヴァルトの森がじかにつながるような……まさに夢見心地。小川のせせらぎや鳥の歌声が子守歌のように聞こえてきます。

5分といわず、50分でもこのままで……と、まどろんでいるうち、「では皆さん、管理棟に戻りましょう」 ―― ガイドさんの声がしました。

名残惜しい……惜しい、あまりにも。
このとき、「近いうち、この森に戻ろう」と心に誓いました。



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撮影・ライティング